fc2ブログ

2009.05.31 (Sun)


アメリカはどれほどひどい国か

アメリカはどんなにアメリカはどれほどひどい国か


日本はどれほどよい国か

いま日本で一番信頼の置ける2人の評論家の対談集。
本書の趣旨を一言で言えば「米中を始めとする世界は腹黒い。日本は出来る限り彼等と距離を置き、力を蓄えて自己主張せよ。日本は素晴らしい国だ」ということである。
正論であり、なんとも力づけられる書である。

書名は「アメリカは・・・」となっているが、アメリカと中国を徹底的に批判し、日本がどれほど良い国かという事を教えてくれる。

アメリカと中国の共通点は、プライドが無く、アイデンティティが無く、奴隷経済であるという事だと指摘する。
アメリカは白人優越主義であり、中国の安い労働コスト(奴隷)を利用する目的から米中蜜月がスタートした。しかし米中経済は互いに「食い合う」関係で両方とも生き残らない(日下氏)と厳しい。

世界同時不況の中で自力で働く日本が一番早く回復し、「他国から奪略しよう」という米中は立ち直れないと予想する。
こんな米中の誘いに応じないで傍観して付き合うなと日下氏は警告する。

「傍観して(中国やアメリカの)どちらとも付き合わない。日本にとってもっとも怖いのは相手に脅かされてお金を奪われることです。それを防ぎたいのであれば日本も原子爆弾を持つしかない。兵器の自主開発も考えられます。(中略)それから『いつでも同等の報復はする』『場合によっては倍返しをする』と伝えておく。今の日本企業は『何も抵抗しません』と公表しているようなものだから、やりたい放題をされている」(日下公人)

日本企業だけではなく、日本政府もそうである。日本国民がそうだからである。
腹黒い世界に対して「友愛の精神」など説いていたら、日本国は消滅するという現実を日本の有権者は認識するぺきである。

「今の日本は中国に比べて失業を深刻に捕らえる状況ではありません。派遣労働をめぐる騒ぎは、経済問題ではなくて政治問題です。共産党や社民党が結託して倒閣を狙い、エコノミストや経済学者が呼応して『日本経済の危機』を煽っている」(高山正之)

倒閣を狙って派遣労働を問題にしているのは民主党も同じであり、『日本経済の危機』を学者や評論家を使って煽っているのはマスコミである。

アメリカには三つのアメリカがあるという日下氏の洞察は興味深い。
政治を司る「ワシントンのアメリカ」、経済を司る「ニューヨークのアメリカ」。「田舎のアメリカ」の三つである。
日本のマスコミは「ワシントンのアメリカ」に偏って「田舎のアメリカ」が選んだオバマ勝利を予想出来なかった。政治家や官僚も同じでワシントンしか寄らない。民間人は「ニューヨークのアメリカ」や「田舎のアメリカ」に立ち寄るので、アメリカの状況と日本との力関係を知っている。

日下氏は白人の世界侵略に対抗して、けっして奴隷にならなかったのは、アメリカのインディアンと日本人だけだという歴史解説がある」と嬉しいことを言うが、果たしてそうだろうか。今の日本人は白人の奴隷だけでなく、黄色近隣諸国の奴隷と言ってもいいほどの弱腰外交である。
くどいようだが、「友愛外交」は「奴隷外交」に通じる。

【安倍元首相のカムパックを期待する】

日下
「アメリカや中国に対抗するには、国家戦略外交本部をつくるしかない。日本の政治家のなかでそれが期待できるのは、安倍晋三元首相です。日本版NSC(国家安全保障会議)の設置は頓挫してしまいましたが、いずれカムバックすると期待しています」


安倍元首相のカムバックを切に願う。

さらに日下氏はいずれ反日マスコミは潰れると嬉しい予言をしてくれる。
高山氏は健康保険制度の破綻は明らかなので老人も少し払うべきだと言い、高齢者負担が増えると読者からクレームが来るから「弱者苛めをするな」の繰り返し。老人の票が欲しい政治家も口を噤む。今年一月の山形県知事選では財政再建を訴えた現職が、「冷たい県政だ」と罵られ、バラマキ福祉を唱えた候補が民主・社民・共産の応援で勝った。
政治や報道がこんなていたらくなので、物乞いのような国民が増える。そのくせ彼等は定額給付金に反対という。そういう連中に限って、一万でももらえれば、小躍りするに決まっている。ジャーリズムの劣化が、間違いなく国民をさもしくしている、と指摘。

正論である。「後期高齢者」とい言う言葉がお年寄りに対して失礼だなどという論調も間違っている。言葉さえ正せばお年寄りに優しいと思っている。「後期高齢者」は人口分布の統計的な定義に過ぎない。めくじらを立てるほどの事ではあるまい。

【日本人はなぜ悪口を言うようになったのか】


自衛隊がマスコミに苛められるという話題から・・・

高山
「なぜこんなに自衛隊が苛められるのか。(中略)最近の報道を見ても、腹が立つことが多い。たとえば、麻生首相が一日何回爪を噛んだとか、テレビのワイドショーで計算している。漢字が読めないとか、単なる間違いをあげつらい、執拗に人格まで揶揄中傷する。
日本人は本来、そういうことを言わない国民でした。たとえ悪人でも悪く言わないのが日本人のいいところなのに、いつから朝鮮人や中国人みたいに悪口を叩くようなったのか。もしかすると、司馬遼太郎が真正面から乃木大将の悪口を書き、伊地知幸介参謀長を誹謗した影響か知れない」


この痛快な時事対談をお読みになることをお勧めする。


ランキングへのご支援をお願いします。
****
FC2バナー2

アメリカはどれほどひどい国か
(日下公人・高山正之対談 PHP研究所 2009/5月 952円税別)

【目次】

まえがき 高山正之

第一章 米中・共倒れの時代

アメリカと中国の意外な共通点 
アイデンティティのない国は「こすっからい」
騙し合いやむしり合いが増える 
中国とアメリカの「奴隷経済」 
「白人優越主義」というモラル 
「オバマ大統領」=アメリカのずるさの表れ? 
奴隷支配の国:中国 
米中は互いに「食い合う」関係
「働かずして儲ける」のが米中の狙い 
米中は日本を師と仰げ
人に働かせるのはもうやめよ 
失業対策としての公共事業 
公共事業に行き詰まると革命が起こる中国 
中国史に見る王朝の栄枯盛衰 
中国は日本と戦争がしたい 
誘いに応じると偏される 
日本は「高みの見物」でよい 

第二章 アメリカの悪巧みにのるな

「中東大団結」を恐れるアメリカ 
イラク戦争に深入りしたツケ 
三つのアメリカがある 
アメリカの人種観を忘れるな 
人種対立の行き着く先は? 
赤字に転落したカリフォルニア州の行方 
牛馬の餌に感謝決議した日本の国会 
誰のための日本総領事館なのか 
安倍元首相のカムバックを期待する 
「サルでも出来るマスコミ式発言表」 
いずれ潰れる「反日マスコミ」 
「日本の強さ」を発信しつづけよ 
日中間に不和の種を蒔くアメリカ 
朝鮮牛島の分断は未申に好都合 
孫文は満洲を日本に売ろうとしていた 

第三章 やはり世界は腹黒い

アメリカ人はいまも日本人を恐れている 
数値目標であるかのごとき優遇政策 
日本が立つ「ノーマンズランド」 
経済成長を重ねた過程でネットに近づきすぎた 
中川前財務相のバッシングに人種偏見の影を見る 
アメリカは決して"人種の坩堝"ではない
至るところにあった間接統治の支配構造 
幕末期から奴隷制度を非難してきた日本 
米国企業が中国に進出する本当の理由 
自分の国を自分で守った幕末日本 
米軍基地は"ビンの蓋" 

第四章 日本は「孤立」しても困らない

優れた英知を持つ日本人 
日本を警戒するアメリカ 
映画『フォレスト・ガンプ』が描いたアメリカの病理 
メイフラワー号でやってきた清教徒は何をしたか 
人道的と言うには程遠いリンカーンの人物像 
トーマス・モアの『ユートピア』に学ぶ戦争論 
日本がなすべきことはいろいろある 
日本の自衛隊も傭兵を使え 
国際人遵法の元祖トーマス・モア 
田母神問題に見るジャーナリズムの罪 
「狂気編隊」と書かれた航空自衛隊の雫石事故 
日本人はなぜ悪口を言うようになったのか 
学習院の同級生が「ご学友」とは! 
日本の自主防衛を封じる「米中密約」の腹黒さ 

あとがき 日下公人

テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済

11:18  |  -アメリカ  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

*Comment

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除するのに必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

*Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://ponko69.blog118.fc2.com/tb.php/879-d7da811d

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP |