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2008.12.05 (Fri)


田母神論文の本質を問え

本質論から逃げた森本敏氏

今日の産経新聞「正論」欄は「田母神論文の意味するところ」と題して森本敏(拓殖大学大学院教授)が田母神論文と応募した事について激しく批判している。

「証拠や分析に基づく新たな視点を展開するならともかく、他人の論評の中から都合の良いところを引用して、バランスに欠ける論旨を展開している」

同様な批判をする者が多いが、学術論文ではないから懸賞論文に新たな視点は必要不可欠ではないとPonkoは以前、記事で書いた。
論文審査員の一人だった花岡信昭氏も、「個々の歴史的な事実については、必ずしも定説とはなっていないことが含まれている。だが、これは学術論文ではない。個別事案のの適否という次元より論文全体を流れる歴史認識の『目』を重視したかった」と雑誌「正論」の一月号で述べている。

森本氏は

「あの程度の歴史認識では複雑な国際環境下での国家防衛を全うできない」

と言うが、では森本氏はどのような歴史認識で国家防衛を全うしようとしているのか、いっさい言及していない。
森本氏はさらに「論文の部外発表手続きを踏んでいない」「(自衛隊にとって)マイナス影響を与えかねない。それが分かっていて発表したというなら政治的な背信行為であり、分からなかったというなら、幕僚長がその程度の政治感覚もなかったのか」「日本の自衛隊はいかなる国より文民統制がしっかりしていると自衛隊員が言っても説得力はない」と枝葉末節を取り上げて極めて批判的である。

しかし、田母神論文の骨子は

「日本は悪い国だったという歴史認識が自虐を生み、国民も「軍隊ではない」自衛隊員も呪縛されている。このままでは国家は衰退する」


という一点に尽きる。

ところが、この論旨をどう評価するのかについて森本氏は論評を避けている。
外交・防衛委員会で議員達が田母神氏を参考人として招致しながら、この本質的な論点を避けて通ったのとまったく同じである。

森本氏は田母神論文を徹底的に非難して、次に返す刀で「防衛省の対応措置」も批判し、「立法府こそ堂々と歴史認識を論議すべき」だという。
喧嘩両成敗とばかりに第三者的なスタンスから、最後に・・・

「今回は国内世論が左右にはっきり分かれた。これは歴史認識が確立していないからであり、近代史に関する歴史教育の重要性を痛感させられる」

などとノーテンキな一般論にしてお茶を濁している。
森本氏はテレビで当たり障りのないコメントをして稼いでいる内に、おのれの視点を失ってしまったのではないか。
視点を持たぬ政治ヒョーロンカなどというものはまことに役に立たない代物である。

一方、田母神氏は懸賞金を辞退するという。
退職金同様に、当然のこととして受領すればいいのにとも思うが、歴史研究団体に寄付するというから、「日本はいい国だった」という歴史的な事実をひとつでも多く研究・発表して国民に自信を与えて欲しいものだ。


産経ニュース(2008.12.5 19:55)
田母神前航空幕僚長が懸賞金辞退へ

先の大戦をめぐり政府見解と異なる論文を公表したとして更迭された田母神俊雄・前航空幕僚長が、懸賞論文を募集したアパグループに対し、最優秀賞となった同論文の懸賞金300万円の受け取り辞退を伝えていたことが5日、分かった。関係者によると、田母神氏は懸賞金を歴史研究団体などに寄付するようアパグループ側に申し出ている。8日に行われる懸賞論文の表彰式には出席し、賞状のみ受け取る意向だという。


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