2012.06.24 (Sun)
日本をダメにするB層政治家
ゲーテの警告
日本の政治家はB層に迎合することでB層化し、「民意」が日本を滅ぼすという恐ろしい予言の書である。
その予言は民主党政権ですでに現実となって表れている。
先にご紹介した適菜収氏(哲学者)の「ニーチェの警告」に先立って昨年出版された本であり、むしろこの本の方が直截的にB層を論じていて面白い。
著者は各所にゲーテやニーチェの箴言を引用してB層論を展開しているが、書名をもっと分かりやすいものにすれば多くの人に読まれるのではないかと思う。
社会学者的な分析の書であるのに、この書名にしたのは社会学者ではなくて哲学者のこだわりか。
現にPonkoも不勉強の故とは言え、昨年本書が刊行されても気が付かなかった。
49ページに「あなたはB層ですか?」というくだりがあるが、PonkoはやはりB層だった。
EXILEは嫌いではないし、桑田圭祐の「TSUNAMI」も好きだし、吉野家の牛丼も年に1回は行くし、セブンイレブンやデニーズは大好きだし、巨人・大鵬・卵焼きの卵焼きは大好きだし・・・
しかし、ベストセラーは読まないし、大相撲の八百長はあって当然だと思うし、B層政治家の存在とマスメディアの嘘は認識しているのでAB層かも知れない。
それはともかく、本書はゲーテの警告を引用しながらB層を解明し糾弾し、そして民主党政権を徹底的に批判している。
その指摘はまったく当たっているので、読んでいて痛快である。
一言でいえば、民主主義の生んだポピュリズム政治がB層を喜ばせることに専念し、日本はこのままでは滅びるというのである。
「いま、日本を動かしているのは誰だと思いますか?
内閣総理大臣ですか?
財務官僚ですか?
アメリカですか?
いいえ、ちがいます。
B層です。
B層とはマスコミ報道に流されやすい、『比較的IQの低い人たち』です」
と始まる本書はどこを開いても思わず快哉を叫びたくなるような鋭い指摘ばかり。
そのうち数か所を拾ってご紹介すると・・・
ゲーテ「活動的な馬鹿より恐ろしいものは無い」の箴言から民主党の菅前総理を徹底敵に批判。
この箴言はまさしく菅前総理のためにあるといってよい。
安倍政権については・・・
「ところが、続く安倍内閣は短命に終わります。退陣の直接的な理由は、安倍晋三の健康問題でしたが、相次ぐ閣僚の不祥事が大きな影響を与えたことは間違いありません。しかし、一番の問題は、安倍晋三の視線がIQの高いA層とC層に向けられていたことでしょう」
確かにそうかもしれない。少し横文字のカタカナが多かった。
「戦後レジーム」とか「バウチャー制度」とか。B層には何のことか分からないし、横文字には本能的に拒否反応を示す。
麻生元首相はアキバのオタクには受けたが、漢字の読み違いとカップラーメンの値段を知らなかったり、ホテルのバーに通っているという話が庶民感覚からはズレているとしてB層から嫌われた。
「安倍、福田、麻生政権は、B層からそっぽを向かれました。この時期と自民党の弱体化は重なります」
適菜氏は指摘していないが、このB層をそそのかしたのは他でもない反日勢力のマスメディアである。
いま民主党を離党して新党を作るかもと話題になっている小沢一郎氏についても触れている。
「小沢は小泉政治を『ポピュリズムだ』と批判しましたが、まさにそのポピュリズムを最大限に利用することで鳩山民主党政権氏をつくり上げました。B層向けのマニフェストをつくり、B層に向けてぶちあてたわけです。
『マニフェストは実現不可能だ』と識者に批判されても、その言葉がB層に届かないことを小沢は見抜いていました。そこに小沢一郎の天才性がある。民主党のマニフェストは基本的にはシンプルな詐欺ですが、B層は簡単に騙されます。ばら撒き政策の財源の根拠や、民主党が隠し持っているイデオロギーには、B層はまったく興味を示さないのです」
(つづく)
「ゲーテの警告 日本を滅ぼす『B層』の正体」
適菜収著 講談社新書 20121年8月 838円税別)
【目次】
はじめに
序 章 こんな社会に誰がした?
野蛮な時代がやってきた
B層とは何か?
狙い撃ちにされたB層
郵政民営化ってそういうことだったのか!
日本の将来を決めるB層の動向
安倍政権が短命に終わった理由小泉構造改革とマニフェスト詐欺
「喫茶店での話題から得た結論」
教養は知識の集積ではない
第1章 資本主義と「大きな嘘」
大きな嘘とは何か?
あなたはB層ですか?
最近のテレビ番組はつまらない?
ベストセラーはなぜ生まれるのか?
「ハーバード白熱教室」と東大生
EXILEは吉野家の牛丼凡庸な人間からは偉大な人間も凡庸に見える
第2章 B層に愛される「B層グルメ」
「B級グルメ」の矛盾
「大衆酒場」と「反大衆酒場」
一流とは何か?
クラシックとロマンティックの違い
産地にこだわる鮨屋の客
職人技はテクニックではない
日立たない真理を尊重せよ!
ゲーテが拒絶した女子供の文化
第3章 B層カルチャーの暴走
天皇陛下と「ハ短調」
「チャコの海岸物語」
ジャリタレなのに「アーティスト」?
「アート」とは何か?
オリジナルは幻想
大相撲八百長問題と紅白歌合戦
第4章 日本を滅ぼす「B層政治家」
B層が民主党政権を生んだ
菅直人と市川房枝
マニフェスト詐欺の真相
デマゴーグの行動パターン
第二の民主党を生み出さないために
保守派が革命を唱える倒錯
『たけしのTVタックル』の罪
幼児化する政治家
宗教音痴の「B層戦犯」
学校では教えてくれない政治史
民主主義は最悪の政治形態
民主主義と議会主義は関係ない
「民意」が国を滅ぼす
ゲーテとナポレオン
第5章 大衆社会の末路-ゲーテの警告
過去の負債は引き継ぐな!
ヘーゲルを叱ったゲーテ
政治家は理念を持つな
驚嘆するものだけを読め!
ビジョンを描きたがる人たち
いつまでも自由になれない理由
裁判員制度は究極の愚行
進化、発展は子供の思想
左翼は反知性主義
ガリレオ・ガリレイの処世術
おわりに
参考文献
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日本の政治家はB層に迎合することでB層化し、「民意」が日本を滅ぼすという恐ろしい予言の書である。
その予言は民主党政権ですでに現実となって表れている。
先にご紹介した適菜収氏(哲学者)の「ニーチェの警告」に先立って昨年出版された本であり、むしろこの本の方が直截的にB層を論じていて面白い。
著者は各所にゲーテやニーチェの箴言を引用してB層論を展開しているが、書名をもっと分かりやすいものにすれば多くの人に読まれるのではないかと思う。
社会学者的な分析の書であるのに、この書名にしたのは社会学者ではなくて哲学者のこだわりか。
現にPonkoも不勉強の故とは言え、昨年本書が刊行されても気が付かなかった。
49ページに「あなたはB層ですか?」というくだりがあるが、PonkoはやはりB層だった。
EXILEは嫌いではないし、桑田圭祐の「TSUNAMI」も好きだし、吉野家の牛丼も年に1回は行くし、セブンイレブンやデニーズは大好きだし、巨人・大鵬・卵焼きの卵焼きは大好きだし・・・
しかし、ベストセラーは読まないし、大相撲の八百長はあって当然だと思うし、B層政治家の存在とマスメディアの嘘は認識しているのでAB層かも知れない。
それはともかく、本書はゲーテの警告を引用しながらB層を解明し糾弾し、そして民主党政権を徹底的に批判している。
その指摘はまったく当たっているので、読んでいて痛快である。
一言でいえば、民主主義の生んだポピュリズム政治がB層を喜ばせることに専念し、日本はこのままでは滅びるというのである。
「いま、日本を動かしているのは誰だと思いますか?
内閣総理大臣ですか?
財務官僚ですか?
アメリカですか?
いいえ、ちがいます。
B層です。
B層とはマスコミ報道に流されやすい、『比較的IQの低い人たち』です」
と始まる本書はどこを開いても思わず快哉を叫びたくなるような鋭い指摘ばかり。
そのうち数か所を拾ってご紹介すると・・・
ゲーテ「活動的な馬鹿より恐ろしいものは無い」の箴言から民主党の菅前総理を徹底敵に批判。
この箴言はまさしく菅前総理のためにあるといってよい。
安倍政権については・・・
「ところが、続く安倍内閣は短命に終わります。退陣の直接的な理由は、安倍晋三の健康問題でしたが、相次ぐ閣僚の不祥事が大きな影響を与えたことは間違いありません。しかし、一番の問題は、安倍晋三の視線がIQの高いA層とC層に向けられていたことでしょう」
確かにそうかもしれない。少し横文字のカタカナが多かった。
「戦後レジーム」とか「バウチャー制度」とか。B層には何のことか分からないし、横文字には本能的に拒否反応を示す。
麻生元首相はアキバのオタクには受けたが、漢字の読み違いとカップラーメンの値段を知らなかったり、ホテルのバーに通っているという話が庶民感覚からはズレているとしてB層から嫌われた。
「安倍、福田、麻生政権は、B層からそっぽを向かれました。この時期と自民党の弱体化は重なります」
適菜氏は指摘していないが、このB層をそそのかしたのは他でもない反日勢力のマスメディアである。
いま民主党を離党して新党を作るかもと話題になっている小沢一郎氏についても触れている。
「小沢は小泉政治を『ポピュリズムだ』と批判しましたが、まさにそのポピュリズムを最大限に利用することで鳩山民主党政権氏をつくり上げました。B層向けのマニフェストをつくり、B層に向けてぶちあてたわけです。
『マニフェストは実現不可能だ』と識者に批判されても、その言葉がB層に届かないことを小沢は見抜いていました。そこに小沢一郎の天才性がある。民主党のマニフェストは基本的にはシンプルな詐欺ですが、B層は簡単に騙されます。ばら撒き政策の財源の根拠や、民主党が隠し持っているイデオロギーには、B層はまったく興味を示さないのです」
(つづく)
「ゲーテの警告 日本を滅ぼす『B層』の正体」
適菜収著 講談社新書 20121年8月 838円税別)
【目次】
はじめに
序 章 こんな社会に誰がした?
野蛮な時代がやってきた
B層とは何か?
狙い撃ちにされたB層
郵政民営化ってそういうことだったのか!
日本の将来を決めるB層の動向
安倍政権が短命に終わった理由小泉構造改革とマニフェスト詐欺
「喫茶店での話題から得た結論」
教養は知識の集積ではない
第1章 資本主義と「大きな嘘」
大きな嘘とは何か?
あなたはB層ですか?
最近のテレビ番組はつまらない?
ベストセラーはなぜ生まれるのか?
「ハーバード白熱教室」と東大生
EXILEは吉野家の牛丼凡庸な人間からは偉大な人間も凡庸に見える
第2章 B層に愛される「B層グルメ」
「B級グルメ」の矛盾
「大衆酒場」と「反大衆酒場」
一流とは何か?
クラシックとロマンティックの違い
産地にこだわる鮨屋の客
職人技はテクニックではない
日立たない真理を尊重せよ!
ゲーテが拒絶した女子供の文化
第3章 B層カルチャーの暴走
天皇陛下と「ハ短調」
「チャコの海岸物語」
ジャリタレなのに「アーティスト」?
「アート」とは何か?
オリジナルは幻想
大相撲八百長問題と紅白歌合戦
第4章 日本を滅ぼす「B層政治家」
B層が民主党政権を生んだ
菅直人と市川房枝
マニフェスト詐欺の真相
デマゴーグの行動パターン
第二の民主党を生み出さないために
保守派が革命を唱える倒錯
『たけしのTVタックル』の罪
幼児化する政治家
宗教音痴の「B層戦犯」
学校では教えてくれない政治史
民主主義は最悪の政治形態
民主主義と議会主義は関係ない
「民意」が国を滅ぼす
ゲーテとナポレオン
第5章 大衆社会の末路-ゲーテの警告
過去の負債は引き継ぐな!
ヘーゲルを叱ったゲーテ
政治家は理念を持つな
驚嘆するものだけを読め!
ビジョンを描きたがる人たち
いつまでも自由になれない理由
裁判員制度は究極の愚行
進化、発展は子供の思想
左翼は反知性主義
ガリレオ・ガリレイの処世術
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テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済
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