2012.06.03 (Sun)
日本を蝕むB層の害毒
;">ニーチェの警鐘123
あまりに面白くて一気に読んでしまった。
歯に衣を着せぬ痛快な批判をB層の大衆、政治家らに対して浴びせている。
適菜収氏はご存知のように、比較的最近「正論」誌で「B層」を論じて注目を浴びた1975年生まれの若手の哲学者だ。
「B層」という概念は小泉郵政改革の支持基盤を広告会社が分析した階層分類で、適菜氏が好んで使っている。
適菜氏はB層を「近代的諸価値を盲信するバカ」と定義している。
「民主主義、平等主義といった近代的な諸価値の徹底を目指す勢力を左翼と呼ぶなら、B層とは「少し頭の弱いサヨク」と規程できるのかもしれません。B層は『改革』『変革』『革新』『革命」というキーワードが付いていれば、なにを改革するかは別して、そのまま誘されていく。テレビや新聞の報道、政治家や大学教授の言葉を丸ご信じ、踊らされ、騙されたと憤慨した後に、再び騙されるような人たち、彼らがB層です」
恥ずかしながら戦後教育を受けたPonkoも民主主義は一番良いものだと信じていた。
佐伯啓思氏の「自由と民主主義をもうやめる」を読んで目が覚めた。
それはさておき、著者は冒頭、「全国に発生した変な知事」を紹介している。
青島幸男から始まって、横山ノック、東国原英夫、橋下徹、渡邊美樹(落選)、黒岩祐治の名を上げているが、Ponkoとしてはこの他にも嘉田由紀子、大村秀章などが上げられると思う。河村たかしもその一人に入っていたが、南京事件の否定発言でリストからはずした。
素人が政治をしているのが恐ろしいと適菜氏は言う。
安住淳、一川保夫、田中直紀、小沢鋭仁、加治川ゆきこ、小沢一郎、野田佳彦、原口一博、菅直人らの政治家の名前が挙がっているが、特に数ページを費やした菅直人の批判が強烈だ。
「我が国最大の悲劇は総理大臣の教養がゼロであることでした」
鳩山由紀夫については触れていないが「論評に値せず」なのだろう。
芸能人ではスーザン・ボイル、綾戸知恵が24時間テレビと同じ構造だという。
「Bポップは音楽そのものよりも別の要素が重視される」
そう言えば、綾戸知恵はシンガーとして優れていると思うが、母親の介護が取り上げられ、最近では介護用品のTVコマーシャルをやっている。
「徳永英明、綾香、YOSHIKIの病気もB層にはたまらない」
AKBには触れていないが、センターに誰がなったの、卒業したの、選挙だのというのも同じ類である。
「いつから人は平等になったのか?
人間は平等ではありません。
生まれつき《人権》などもっているわけがありません。
上等な人間と下等な人間が共存しているのが普通の社会です。
平等主義とは、偉大な人間を(神)の名において抑圧し、価値のない人間をもちあげるシステムです。それは現実社会を破壊するためのイデオロギーにすぎません。
すべてをフラットにしてしまう。
やはり差別というのは大事なことだと思います。
(中略)
B層は《格差》に敏感です。
なにかことがあれば、「格差社会の到来だ!」などと騒ぎ立てます」
格差を否定する左翼、リベラリストたちはこれを読んで卒倒してしまうに違いない。
なお、表題の通り適菜氏の専門であるニーチェの言葉を各所に引用してB層を分析している。
「ツァラトゥストラ」は哲学を少しばかり齧った高校時代に読んだが数ページ読んで放り出した記憶がある。
アマゾンでの読者の書評を見ると適菜氏こそB層だとか、読むべきところはほとんどないとか、B層がたくさんいることが分かる。
日本は今後もこのいくら騙されても反省する事なきB層が増えて行き、支配していくというからお先真っ暗である。
(続く)
「ニーチエの警鐘」(適菜収著 講談社新書 2012年4月 880円)
【目次】
はじめに 神は死んだ!
第1章 どうして今の世の中はおかしいのか
大きな底が抜けてしまった
全国に発生した変な知事
安住淳とEXILE
なぜ言葉が軽くなったのか?
「B層」とはなにか?
55年体制とユートピア思想
ニーチェ嘆いた大衆社会
日本人の人生観
アザラシ「あらちゃん」に住民票
ツァラトゥストラってなに?
大衆はサル以下である
民衆が選んだもの
ひとりで生きる人たちのために
バカを論破するのは分可能
第2章 ニーチェの警鐘
大衆とはなにか?
キリスト教は邪教です!
社会的弱者の負のエネルギー
B層はなぜ無知を自慢するのか
人権思想が地獄を生み出す
民主主義の本質は反知性主義
いつから人は平等になったのか?
復古主義と国家主義の本質
社会主義者の精神構造
客観的という嘘
神とはなにか?
民族が落ちぶれるとき
『1984年』の世界
正しいしい格差社会へ
第3章 B層グルメとBポップ
B層が聴く《Bポップ》
総理大臣の教養
なにを読めばいいのか?
ニーチエの読書論
ダメな芸術とはなにか?
B層はなぜ高くてまずいコーヒーを飲むのか?
第4章 知識人はなぜバカなのか?
軽蔑すべき《知識人》の時代
「B層自分の説明書」
フロイト、ユングはオカルト
吉本隆明と《B層の原像》
テロリストの論理構造
誤読されてきたニーチエ
ニーチエ読みのニーチエ知らず
長崎は今日も雨だった
ラノベ作家とコムサ・デ・モード
第5章 B層政治家が日本を滅ぼす
B層政治家の見抜き方B層が求める「わかりやすい敵」
有権者は成熟しない
三流大学を目指す必要はない
イラクの場所を知らない政治家
民主党が独裁を肯定する理由
ナショナリズムと帝国主義
選挙には行きません
おわりに 区別すること
参考文献
共感頂けたらランキングにポチよろしく!
****↓


あまりに面白くて一気に読んでしまった。
歯に衣を着せぬ痛快な批判をB層の大衆、政治家らに対して浴びせている。
適菜収氏はご存知のように、比較的最近「正論」誌で「B層」を論じて注目を浴びた1975年生まれの若手の哲学者だ。
「B層」という概念は小泉郵政改革の支持基盤を広告会社が分析した階層分類で、適菜氏が好んで使っている。
適菜氏はB層を「近代的諸価値を盲信するバカ」と定義している。
「民主主義、平等主義といった近代的な諸価値の徹底を目指す勢力を左翼と呼ぶなら、B層とは「少し頭の弱いサヨク」と規程できるのかもしれません。B層は『改革』『変革』『革新』『革命」というキーワードが付いていれば、なにを改革するかは別して、そのまま誘されていく。テレビや新聞の報道、政治家や大学教授の言葉を丸ご信じ、踊らされ、騙されたと憤慨した後に、再び騙されるような人たち、彼らがB層です」
恥ずかしながら戦後教育を受けたPonkoも民主主義は一番良いものだと信じていた。
佐伯啓思氏の「自由と民主主義をもうやめる」を読んで目が覚めた。
それはさておき、著者は冒頭、「全国に発生した変な知事」を紹介している。
青島幸男から始まって、横山ノック、東国原英夫、橋下徹、渡邊美樹(落選)、黒岩祐治の名を上げているが、Ponkoとしてはこの他にも嘉田由紀子、大村秀章などが上げられると思う。河村たかしもその一人に入っていたが、南京事件の否定発言でリストからはずした。
素人が政治をしているのが恐ろしいと適菜氏は言う。
安住淳、一川保夫、田中直紀、小沢鋭仁、加治川ゆきこ、小沢一郎、野田佳彦、原口一博、菅直人らの政治家の名前が挙がっているが、特に数ページを費やした菅直人の批判が強烈だ。
「我が国最大の悲劇は総理大臣の教養がゼロであることでした」
鳩山由紀夫については触れていないが「論評に値せず」なのだろう。
芸能人ではスーザン・ボイル、綾戸知恵が24時間テレビと同じ構造だという。
「Bポップは音楽そのものよりも別の要素が重視される」
そう言えば、綾戸知恵はシンガーとして優れていると思うが、母親の介護が取り上げられ、最近では介護用品のTVコマーシャルをやっている。
「徳永英明、綾香、YOSHIKIの病気もB層にはたまらない」
AKBには触れていないが、センターに誰がなったの、卒業したの、選挙だのというのも同じ類である。
「いつから人は平等になったのか?
人間は平等ではありません。
生まれつき《人権》などもっているわけがありません。
上等な人間と下等な人間が共存しているのが普通の社会です。
平等主義とは、偉大な人間を(神)の名において抑圧し、価値のない人間をもちあげるシステムです。それは現実社会を破壊するためのイデオロギーにすぎません。
すべてをフラットにしてしまう。
やはり差別というのは大事なことだと思います。
(中略)
B層は《格差》に敏感です。
なにかことがあれば、「格差社会の到来だ!」などと騒ぎ立てます」
格差を否定する左翼、リベラリストたちはこれを読んで卒倒してしまうに違いない。
なお、表題の通り適菜氏の専門であるニーチェの言葉を各所に引用してB層を分析している。
「ツァラトゥストラ」は哲学を少しばかり齧った高校時代に読んだが数ページ読んで放り出した記憶がある。
アマゾンでの読者の書評を見ると適菜氏こそB層だとか、読むべきところはほとんどないとか、B層がたくさんいることが分かる。
日本は今後もこのいくら騙されても反省する事なきB層が増えて行き、支配していくというからお先真っ暗である。
(続く)
「ニーチエの警鐘」(適菜収著 講談社新書 2012年4月 880円)
【目次】
はじめに 神は死んだ!
第1章 どうして今の世の中はおかしいのか
大きな底が抜けてしまった
全国に発生した変な知事
安住淳とEXILE
なぜ言葉が軽くなったのか?
「B層」とはなにか?
55年体制とユートピア思想
ニーチェ嘆いた大衆社会
日本人の人生観
アザラシ「あらちゃん」に住民票
ツァラトゥストラってなに?
大衆はサル以下である
民衆が選んだもの
ひとりで生きる人たちのために
バカを論破するのは分可能
第2章 ニーチェの警鐘
大衆とはなにか?
キリスト教は邪教です!
社会的弱者の負のエネルギー
B層はなぜ無知を自慢するのか
人権思想が地獄を生み出す
民主主義の本質は反知性主義
いつから人は平等になったのか?
復古主義と国家主義の本質
社会主義者の精神構造
客観的という嘘
神とはなにか?
民族が落ちぶれるとき
『1984年』の世界
正しいしい格差社会へ
第3章 B層グルメとBポップ
B層が聴く《Bポップ》
総理大臣の教養
なにを読めばいいのか?
ニーチエの読書論
ダメな芸術とはなにか?
B層はなぜ高くてまずいコーヒーを飲むのか?
第4章 知識人はなぜバカなのか?
軽蔑すべき《知識人》の時代
「B層自分の説明書」
フロイト、ユングはオカルト
吉本隆明と《B層の原像》
テロリストの論理構造
誤読されてきたニーチエ
ニーチエ読みのニーチエ知らず
長崎は今日も雨だった
ラノベ作家とコムサ・デ・モード
第5章 B層政治家が日本を滅ぼす
B層政治家の見抜き方B層が求める「わかりやすい敵」
有権者は成熟しない
三流大学を目指す必要はない
イラクの場所を知らない政治家
民主党が独裁を肯定する理由
ナショナリズムと帝国主義
選挙には行きません
おわりに 区別すること
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テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済
そんなに民主主義が嫌いなら北朝鮮にでも移住したらいかがですか?
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2015.08.20(Thu) 09:32 | URL |
【コメント編集】
先にコメントした人の意見に賛成に同じ、左翼もそうだけど保守も伝統や秩序国家集団優先で個人や人権や福祉や寛容を軽んじてるよって彼らも民主主義的とはいいがたい
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2017.04.05(Wed) 23:02 | URL |
【コメント編集】
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