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2012.04.04 (Wed)


「売国奴に告ぐ!」


売国奴に告ぐ売国奴に告ぐ縮小版

何ともはや刺激的な書名である。
TPPに絶対反対の中野剛志氏と公共投資によるデフレ脱却、日銀の増刷を主張する三橋貴明氏の対談は実に分かりやすく、説得力がある。

Ponkoは中露韓朝の反日近隣諸国に日本を売るような人間やメディアを売国奴(BKD)と考えていたが、中野氏のいう「売国奴」とはアメリカとか中国とかいう国家ではなく、グローバル化した資本に日本を売る人間だと言う。

本書は「グローバル化」「新自由主義」「構造改革」「民営化」「小泉改革」を否定している。
その大部分は賛同する。あの時、小泉改革を絶賛した人間やメディアが、今やそれを完全否定している。
しかし、民営化や競争原理主義が果たして全て悪かったのか、いまだに疑問である。

公共投資が日本のデフレ脱却につながるという三橋氏の持論に対して、政治評論家の伊藤惇夫氏は政権離脱をほのめかす亀井静香氏が公共投資推進派だということから今日のテレビ番組でも「あれはケインズの理論でちょっと古い」と批判していた。
司会者は大いに納得した様子だったが「古い」というだけで否定していいのか。
新しい経済理論がどんなものか知らぬが、一向に景気は回復しないではないか。
経済評論家と政治評論家のどちらが正しいかということになると経済評論家(ピンからキリまで居るが)に軍配を上げたくなる。
三橋氏がたびたび指摘しているように、もう過去何年も公共投資が減少するばかりで未だにデフレから脱却できないでいる。

それはさておき、グローバリゼーションは必ずしも日本を幸せにするものではないと過去の記事で述べて反論のコメントを頂いた記憶があるが、本書はグローバル化の弊害を次の一言で示している。

「グローバル化によって国民の利益と企業(国際企業)の利益はズレていく」

つまり、グローバル企業というのは国籍はあってないようなもので、低コストを求めて海外に進出していく。
内需が衰えても外需が増えれば構わないのである。
(もっとも民主党はアジア諸国の需要を「内需」と言っているのがいまだに分からない)
昔はそうではなかったとアメリカの自動車会社フォードの例を引いている。

フォードは社員の給与を上げ、社員はフォード車を買った。労働者の購買力が増し、国内市場が成長した。

この事実はグローバル化の問題点をある意味示している。
グローバル化の更なる問題点は、資本移動が自由化されたために、政府は大企業に有利な政策を取らないと海外に逃げられてしまう点である。
企業側はおのれのビジネスの発展のために政府を動かすロビイング活動が盛んになる。
アメリカが日本に要求する年次改革はまさしくアメリカ企業のロビイング活動の結果であり、TPPもそのひとつである。
以下、印象に残ったフレーズを列記する。

中野剛志
「いま日本を動かしているのは、デフレで苦労しない人たちです。公務員、日銀、学者、それからグローバル企業、つまり外で稼ぐ企業です」

「グローバル企業は得た利益を海外の株主に回してしまいますから、国内に金が落ちない」

「海外ファンドは儲かって、日本の国民は不幸になる。これがこの20年間の構造改革とグローバル化の顛末です」

「日本の政党で怖いと思うのは『みんなの党』です。みんなの党は、どれだけ議論が矛盾していようが、大衆受けするポピュリズム的な事を必ず言うのです。TPP賛成、デフレ脱却、日銀法改正、あるいは官僚解体、電力自由化、本当は相反するはずの政策をずらりと並べて見せる」

「古賀茂明氏は自分の思うような構造改革が実現できなかったので、子供じみた官僚批判をする。(中略)古賀氏の電力業界叩きはアンフェアです」

「戦後、『戦前の日本解体では真の民主主義が根付かなかったから、軍が戦争に向けて突き進んだ』という見方がありました。本当は違っていて、民主主義が『戦争していい』と言ったのです」

三橋貴明
「公共投資の額が30年前を下回っている国など、戦争や内乱をやっていた国を除けば、間違いなく日本だけですよ」


三橋氏は公務員批判は筋違いであり、日本は他国と比べて公務員の数は少ない、デフレのいまは公務員を増やすべきだと主張する。確かに、公務員の新規採用を減らすと言う岡田発言は間違っていると思う。

「マスコミのスポンサーとして影響力が大きい経団連は、派遣労働の規制緩和や移民受け入れを主張するなど、露骨なほど構造改革やグローバル化を推し進めようとしている」

「中川(昭一)氏は麻生内閣の財務大臣として、もう無茶苦茶に財務省と喧嘩していた。結果、両脇に財務官僚がいる状態で、あの酩酊会見です。普通、大臣が会見に出られない状態であれば、官僚が止めると思うのですが、あのときはそがなかった。(中略)あの酩酊会見は明らかに財務省の陰謀ですよ。何しろ、横に財務官僚が二人居たわけですから、普通は止めるでしょう。しかもその2人の内、1人はIMFの副専務理事に出世しています」


Ponkoもずっとそう信じている。(つづく)


「いま日本に迫る危機の正体 売国奴に告ぐ!」
(徳間書店 2012年3月 1400円+税) 

【目次】
はじめに デフレ悪化を推進する人たち 三橋貴明 

第1章「改革」の名で日本を滅亡に導く人たち

 ・世界混乱の元凶「グローバル化」を日本に広めたい人たち
 ・グローバル化も構造改革もデフレを深刻化する
 ・日本を滅ぼす「新自由主義」が人気を集める理由
 ・官僚はなぜデフレを放置するのか
 ・財政破綻論と増税、新自由主義、構造改革論の連携
 ・「効率化」と「生産性向上」の果て
 ・グローバル化で乖離した国民と企業の利益
 ・グローバル化による民主主義否定と独故
 ・グローバリズムは国民主権を阻害する
 ・日本はエリートがバカでも国民が賢いから救いがある
 ・日本の健全な資本主義と民主主義を守れ

第2章 恐慌化する世界経済と日本の行方

 ・アメリカ経済はもう立ち直らない
 ・ティーパーティの倒錯した思想
 ・アメリカと日本のデフレの違い
 ・危機が増す中国と世界経済の行方

第3章 日本に蔓延する構造改革と新自由主義のウソ

 ・「政治主導」と「脱官僚」のレトリック
 ・官僚は本当は改革路線が大好き
 ・官僚がおかしくなった理由
 ・日本が構造改革に向かってしまうのはなぜか
 ・財務省が構造改革に賛成している理由
 ・官僚の上手な操り方
 ・グローバリズムで狂い始めた世界
 ・外交と国内政策を別モノと考える人たち
 ・構造改革主義者への抵抗

策4章 この国に巣食う「国を売る」人々

 ・「外圧がないと変えられない」というイデオロギー
 ・「TPP参加のメリット」のでたらめさ加減
 ・日本人は政治を舐めすぎている
 ・国民を欺く売国マスコミの大罪
 ・テレビ、新聞の世論操作の実態
 ・過ちを決して認めない評論家
 ・尋常ではない農業(弱いもの)の叩き方

第5章 売国ドクトリンから日本を救え

 ・TPP、増税というショック・ドクトリン
 ・デフレ時代にインフレ対策をする愚
 ・デフレでは既得権益叩きをしてはいけない
 ・TPPが国民に説明されない理由
 ・アメリカ国民にもプラスにならないTPP
 ・タチの悪い民主主義VS健全な民主主義の戦い
 ・TPPでアメリカは何を取りに来るのか
 ・アメリカが日本の非関税障壁を狙ってきたわけ
 ・一般国民のレペルを上げるしかない
 ・「アメリカを真似ろ」から「日本が正しい」へ
 ・「自己責任論」で安全地帯から批判する卑怯さ
 ・いま日本経済を救うために必要なこと
 ・日本こそが世界経済のモデルとなる

おわりに 売国奴の正体 中野剛志


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「売国奴に告ぐ!」の書評をアマゾンに書こうと考えておりますが、反日勢力を斬る様の記事の一部である「売国奴に告ぐ!」の目次部分をコピーしてもよろしいでしょうか?
ご許可を頂ければ、幸甚です。
小窪兼新 |  2012.04.04(Wed) 21:01 |  URL |  【コメント編集】

★小窪兼新様

目次欄どうぞお使いになってください。
大いに拡散しましょう。
Ponko |  2012.04.06(Fri) 23:10 |  URL |  【コメント編集】

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