2012.01.12 (Thu)
中国バブルの大崩壊が始まった
中国の真実
中国の虚像を暴く
近く更迭される山岡賢次国家公安委員長は「ユーロは破綻するんじゃないか。中国のバブルも破裂する可能性がある」と年頭に失言した。
「金融経済の大津波がやってくる時に、政治が混乱していることが一番よくない」とのご宣託だが、政治を混乱させている原因は自分にもあるとは夢にも思っていない痴呆ぶり。
それはさておき、中国の「バブル破裂」はたびたび言われてきたが、いよいよその時が迫ってきたようだ。
中国にたびたび出掛け、定点観察続けている中国通の第一人者・宮崎正弘氏が最新著作「2012年、中国の真実」を出版した。
中国はGDPで日本を抜き米国に次ぐ第二位となり、順風満帆、今にも世界のリーダーになるかのように喧伝されているが、真相は全く違うと宮崎氏は具体的な数字や事例を上げて指摘する。
目次を読んだだけでも納得する。
私たちは中国の虚像に気付き、ビジネス界の中国至上主義、民主党政権の叩頭外交を決して許してはならないとつくづく思う。
下世話な話では、中国の次期国家主席と目される習近平についての情報と権力闘争相関図が大変興味深い。女性関係や「アモイ事件」と呼ばれる密輸・脱税との関連も取沙汰されるアキレス腱がある。
なお、中国では「愛人」は女房を意味し、日本の「愛人」は「情人」、セックスフレンドは「情婦」と呼ぶなどという新知識も手に入れることが出来る。
それはさておき、習近平は天皇陛下の政治利用で日本のみならず中国でも評判は悪いらしい。
「夫婦そろって天皇の政治利用と日本での批判は強かった。宮内庁の内規『一ヶ月ルール』を小沢一郎が無視して、習の謁見をアレンジしたが、逆に中国では習が天皇にゴリ押しで会ったときにふんぞりかえったので評判が悪いのである。皇帝のイメージが付帯したというわけだ」
ただ軍人でもある夫人のおかげで「軍のウケはやけにいい」そうである。軍をバックに日本に強硬な態度を取ると言う予想もそんな所から来ているのかも知れない。
彼は2009年のウイグル弾圧で名を上げたというから、胡錦濤とまったく同じである。
しかし中国国内では抑圧された人民の反乱、暴動がますます盛んになってきた。2010年にはなんと18万件の暴動が起きたと言う(WSJ 2011/9/29)
中国人は嘘つきで、GDP成長率はマイナス10%、インフレ率16%、不良債権432兆円だそうだ(香港の中国人エコノミスト)。筆者の考えももそれに近いと言う。
中国人は「歴史の真実」なんてどうでも良い事で、南京大虐殺はあった事で、天安門は無かったことだそうである。
中国人が信じていない事を日本人が信じているのはバカげたことだと筆者は言う。まさしくその通り。
その他、中国の真実の姿を現地を足で歩いて伝える本書は中国に対する私たちの間違った思い込みを払拭してくれる。
(余談)中国共産党の一党独裁の限界は見えている。中国こそ「地域主権」や「道州制」を取るべきだろう。狭い日本の国土の中で「地域主権」や「道州制」を主張する面々は、お友達の人口13億の中国にこそ提案したらいかがなものか)
「2012年、中国の真実」(宮崎正弘 ワック新書 2011/12/26 930円)
プロローグ「共産党主義経済」はどこへ行く?
策1章 中国新幹線の事故は予測されていた
はじめからメチャクチャだった中国新幹線
採算を考えず、開業の段階から赤字覚悟
予算の四分の一=2兆6千億円をポケットに入れた幹部連
閣の組織「鉄道部」は国有企業最大の借金王
「自転車操業」をしてきた鉄道経営は限界
「無計画停電」に悲鳴をあげる外国企業
あとのことを考えない中国特有のビジネス・マナー
第2章 中国の金融システムはヘドロの海
人民元が基軸通貨になったとき、中国は世界最大の債務国に転落ずる
「砂上の楼閣」を支える手品と嘘
四大銀行の帳簿から80兆円の不良債務が突如として消えた
中国の株式市場に「成熟した投資家」は不在である
なぜ、GITIC(広東省国際信用投資公司)が倒産したのか
2015年までに中国の億万長者は140万人に増える?
借金をちょっとだけ返済すれば不良債権とは見積もられない
果てしない負の連鎖が陰で急膨張している
第3章 バブル破綻の現場を見に行く
地方政府の強大で曖昧な権限と面妖で奇妙な責任の所在
13億円をかけた23階建ての村役場とピンク色の兵舎
ガラ空きの工業団地、幽霊屋敷のようなショッピング街、住民がいない団地
胡錦濤政権が支援する共産主義青年団の「共青城市」
上海並みの価格で空き部屋が目立つ抗州の高級マンション
上海市、広東省、淅江省は禁じ手だった「地方債」を発行し始めた
第4章 内陸部と辺境で始まった摩天楼バブル
中口国境地帯に近未来の繁栄が見える?
黒竜江省の東北端でも水田が広がっていた!
わずか5年ほどで駅前が見違えるほど変わった佳水斯
ロシア風の荘厳な建物が並ぶ国境の町・撫遠
飛行機便が週2便から毎日2便に「大躍進」した黒河
発展から取り残された孫呉
摩天楼が林立し、バブルの最中にある大都市ハルピン
軍港の撮影が認められた旅順はこれから開発が始まる
北朝鮮と鉄道が繋がる三都市の変貌
急発展して人口280万人に膨らんだ丹東
クレーンが林立して高層ビルを建て始めた田舎町・集安
第5章 2013年、「習近平時代」がやってくる
北京を慌てさせた米豪秘密交渉―米海兵隊25000人が豪軍基地駐留ヘ
ミャンマーを巡る「中国VS米日ASEAN」の構図
次期首相就任が確実であっても決定的とは言えない李克強
比較的スキャンダルから遠いとされた習近平のアキレス腱
「清廉政治家」のイメージづくりに専念する習近平
江沢民の復活劇が権力闘争の予測を複雑にした
第18回中国共産党大会に向け、人事の調整が水面下で始まっている
第6章 人民の海に逆巻く荒波―反乱と暴動
中国共産党始まって以来の椿事となった大運の抗議運動
「大連以前」と「大連以後」で大衆運動は大きく変わった
民衆の抗議で初めて当局が譲歩した「湖州暴動」
2010年、中国で発生した暴動は18万件?
「党と、その手下である官は悪人だから殺すべき」という民衆の怨念
周大福の株式新規公開が物語る「中国経済の未来」
第7章 中国人の特技「嘘」の向こうに見えるのは何か
GDP成長率はマイナス10%、インフレ率は16%?
中国の金持ちは貧乏人への慈愛も同情もない
ハリウッド映画が米国と中国の封切りをほぼ同時にする理由
人民元を信用せずに世界最古最強の通貨「ゴールド」を買う中国人
人はだますために存在し、だまされた人間が馬鹿なのである
中国人が信用していない「嘘」を日本人が信じている
中国経済の本質は『水滸伝』の世界
背伸びしすぎた軍拡と宇宙開発が行き着く先は?
エピローグ 次は人民元大崩落だ
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中国の虚像を暴く
近く更迭される山岡賢次国家公安委員長は「ユーロは破綻するんじゃないか。中国のバブルも破裂する可能性がある」と年頭に失言した。
「金融経済の大津波がやってくる時に、政治が混乱していることが一番よくない」とのご宣託だが、政治を混乱させている原因は自分にもあるとは夢にも思っていない痴呆ぶり。
それはさておき、中国の「バブル破裂」はたびたび言われてきたが、いよいよその時が迫ってきたようだ。
中国にたびたび出掛け、定点観察続けている中国通の第一人者・宮崎正弘氏が最新著作「2012年、中国の真実」を出版した。
中国はGDPで日本を抜き米国に次ぐ第二位となり、順風満帆、今にも世界のリーダーになるかのように喧伝されているが、真相は全く違うと宮崎氏は具体的な数字や事例を上げて指摘する。
目次を読んだだけでも納得する。
私たちは中国の虚像に気付き、ビジネス界の中国至上主義、民主党政権の叩頭外交を決して許してはならないとつくづく思う。
下世話な話では、中国の次期国家主席と目される習近平についての情報と権力闘争相関図が大変興味深い。女性関係や「アモイ事件」と呼ばれる密輸・脱税との関連も取沙汰されるアキレス腱がある。
なお、中国では「愛人」は女房を意味し、日本の「愛人」は「情人」、セックスフレンドは「情婦」と呼ぶなどという新知識も手に入れることが出来る。
それはさておき、習近平は天皇陛下の政治利用で日本のみならず中国でも評判は悪いらしい。
「夫婦そろって天皇の政治利用と日本での批判は強かった。宮内庁の内規『一ヶ月ルール』を小沢一郎が無視して、習の謁見をアレンジしたが、逆に中国では習が天皇にゴリ押しで会ったときにふんぞりかえったので評判が悪いのである。皇帝のイメージが付帯したというわけだ」
ただ軍人でもある夫人のおかげで「軍のウケはやけにいい」そうである。軍をバックに日本に強硬な態度を取ると言う予想もそんな所から来ているのかも知れない。
彼は2009年のウイグル弾圧で名を上げたというから、胡錦濤とまったく同じである。
しかし中国国内では抑圧された人民の反乱、暴動がますます盛んになってきた。2010年にはなんと18万件の暴動が起きたと言う(WSJ 2011/9/29)
中国人は嘘つきで、GDP成長率はマイナス10%、インフレ率16%、不良債権432兆円だそうだ(香港の中国人エコノミスト)。筆者の考えももそれに近いと言う。
中国人は「歴史の真実」なんてどうでも良い事で、南京大虐殺はあった事で、天安門は無かったことだそうである。
中国人が信じていない事を日本人が信じているのはバカげたことだと筆者は言う。まさしくその通り。
その他、中国の真実の姿を現地を足で歩いて伝える本書は中国に対する私たちの間違った思い込みを払拭してくれる。
(余談)中国共産党の一党独裁の限界は見えている。中国こそ「地域主権」や「道州制」を取るべきだろう。狭い日本の国土の中で「地域主権」や「道州制」を主張する面々は、お友達の人口13億の中国にこそ提案したらいかがなものか)
「2012年、中国の真実」(宮崎正弘 ワック新書 2011/12/26 930円)
プロローグ「共産党主義経済」はどこへ行く?
策1章 中国新幹線の事故は予測されていた
はじめからメチャクチャだった中国新幹線
採算を考えず、開業の段階から赤字覚悟
予算の四分の一=2兆6千億円をポケットに入れた幹部連
閣の組織「鉄道部」は国有企業最大の借金王
「自転車操業」をしてきた鉄道経営は限界
「無計画停電」に悲鳴をあげる外国企業
あとのことを考えない中国特有のビジネス・マナー
第2章 中国の金融システムはヘドロの海
人民元が基軸通貨になったとき、中国は世界最大の債務国に転落ずる
「砂上の楼閣」を支える手品と嘘
四大銀行の帳簿から80兆円の不良債務が突如として消えた
中国の株式市場に「成熟した投資家」は不在である
なぜ、GITIC(広東省国際信用投資公司)が倒産したのか
2015年までに中国の億万長者は140万人に増える?
借金をちょっとだけ返済すれば不良債権とは見積もられない
果てしない負の連鎖が陰で急膨張している
第3章 バブル破綻の現場を見に行く
地方政府の強大で曖昧な権限と面妖で奇妙な責任の所在
13億円をかけた23階建ての村役場とピンク色の兵舎
ガラ空きの工業団地、幽霊屋敷のようなショッピング街、住民がいない団地
胡錦濤政権が支援する共産主義青年団の「共青城市」
上海並みの価格で空き部屋が目立つ抗州の高級マンション
上海市、広東省、淅江省は禁じ手だった「地方債」を発行し始めた
第4章 内陸部と辺境で始まった摩天楼バブル
中口国境地帯に近未来の繁栄が見える?
黒竜江省の東北端でも水田が広がっていた!
わずか5年ほどで駅前が見違えるほど変わった佳水斯
ロシア風の荘厳な建物が並ぶ国境の町・撫遠
飛行機便が週2便から毎日2便に「大躍進」した黒河
発展から取り残された孫呉
摩天楼が林立し、バブルの最中にある大都市ハルピン
軍港の撮影が認められた旅順はこれから開発が始まる
北朝鮮と鉄道が繋がる三都市の変貌
急発展して人口280万人に膨らんだ丹東
クレーンが林立して高層ビルを建て始めた田舎町・集安
第5章 2013年、「習近平時代」がやってくる
北京を慌てさせた米豪秘密交渉―米海兵隊25000人が豪軍基地駐留ヘ
ミャンマーを巡る「中国VS米日ASEAN」の構図
次期首相就任が確実であっても決定的とは言えない李克強
比較的スキャンダルから遠いとされた習近平のアキレス腱
「清廉政治家」のイメージづくりに専念する習近平
江沢民の復活劇が権力闘争の予測を複雑にした
第18回中国共産党大会に向け、人事の調整が水面下で始まっている
第6章 人民の海に逆巻く荒波―反乱と暴動
中国共産党始まって以来の椿事となった大運の抗議運動
「大連以前」と「大連以後」で大衆運動は大きく変わった
民衆の抗議で初めて当局が譲歩した「湖州暴動」
2010年、中国で発生した暴動は18万件?
「党と、その手下である官は悪人だから殺すべき」という民衆の怨念
周大福の株式新規公開が物語る「中国経済の未来」
第7章 中国人の特技「嘘」の向こうに見えるのは何か
GDP成長率はマイナス10%、インフレ率は16%?
中国の金持ちは貧乏人への慈愛も同情もない
ハリウッド映画が米国と中国の封切りをほぼ同時にする理由
人民元を信用せずに世界最古最強の通貨「ゴールド」を買う中国人
人はだますために存在し、だまされた人間が馬鹿なのである
中国人が信用していない「嘘」を日本人が信じている
中国経済の本質は『水滸伝』の世界
背伸びしすぎた軍拡と宇宙開発が行き着く先は?
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