2011.05.20 (Fri)
谷垣総裁では政権奪還できない
坊ちゃん総裁の限界
記者会見でただ一人菅総理に向かって辞職を促した産経新聞の阿比留瑠比記者が、缶(菅)切りの返す刀で谷垣自民党総裁をぶった切った。
曰く「坊ちゃん総裁」と。
さすがに産経新聞紙上では「不信任案 中ぶらり 戦う自民どこへ行った」と抑えた見出しになっているが。
「成程、その通り」と相槌を打ちながら読み進めていくと最後に阿比留瑠比氏の署名があった。
谷垣総裁ではダメだと当ブログは言っていた。
彼がそれなりの力量を持つ政治家であることは否定しない。
しかし、今の政治状況の中で自民党の総裁であることは自民党にとって決してプラスではない。
前回の衆院選で自民党を見限った有権者は、今の自民党は一向に様変わりしていないと思っているからだ。
野党に落ちぶれて臥薪嘗胆、それなりに力を付けている筈であり、様変わりしているはずである。
ところがイメージ・チェンジしたと思わせる何かがなければ有権者は振り向かない。
ポビュリズムに乗っかった政権交代なら、もう一度ポピュリズムに乗っかって政権を奪還すればいいのだ。
それには、稲田朋美氏を総裁にすることだ。
権力の奪い合いが日常茶飯事の政治の世界で二期生を総裁にすることなど夢物語だと言われるかもしれない。
しかし、稲田氏が総裁になれば、稲田氏の国家観や歴史観が自民党の国家観や歴史観として天下に示されるのだ。
・・・とここまで書いて来て自分で驚いた。
「稲田氏の国家観や歴史観が自民党の国家観」ではなくて、そもそも自民党の立党の精神を稲田氏は主張しているに過ぎないのである。
ということは現在の自民党は立党の精神をまったく具現化していないということの証左である。
話がややこしくなったが、反日マスコミの世論調査の結果に動かされる愚民社会では、イメージチェンジで新風を巻き起こさなければ自民党に再生のチャンスがないことは明らかである。
現在の政治状況のなかではまったく効果のない谷垣総裁を擁護するものは、単細胞的な自民党ファンか、自民党をいつまでも野に置こうとする民主党政権の擁護者か、日本解体を狙う工作員かでしかないといままで思っていた。
その思いは、阿比留記者のこの記事で確信に変わった。
産経ニュース(2011/05/20)
権力亡者に手玉に取られる“坊ちゃん総裁”
「兵は拙速を聞く」
「現時点で退陣の選択は全く考えていない!」
19日の衆院本会議で菅直人首相が余裕たっぷりに明言するのを聞きながら情けなくなった。最大野党・自民党の谷垣禎一総裁は一体何をやっているのか…。
「国民の不安を解消できないなら政権担当能力がないということだ。内閣不信任案を考えねばならない」
谷垣氏は17日の党役員会で本格的な倒閣に舵(かじ)を切ったが、あまりにも遅い。不信任案が否決される場合を恐れるのは分かるが、「兵は拙速を聞く」(孫子)との金言通り、戦いには迅速さが何より肝要だ。
東日本大震災発生から2カ月以上。折しも首相は24日から主要国首脳会議(G8)など出席のため6日間に及ぶ外遊に赴く。「サミット休戦」となるころにようやく不信任案提出の「検討」を表明するようでは「本気で戦う気があるのか」と疑われても仕方あるまい。
海千山千の「老戦士」である森喜朗元首相らが主張したように不信任案は、5月2日に平成23年度第1次補正予算が成立した直後にたたき付けるべきだった。間違いなく成立していたはずだ。
にもかかわらず谷垣氏は逡巡した。4月30日に補正予算案が衆院を通過した際には、あいさつにきた首相を逆にこうねぎらった。
「お体に気をつけてがんばってください」
決定的にどこかピントがずれていないか。
首相に見くびられ
自民党ベテランは、保身にひた走る首相と優柔不断な谷垣氏を「権力亡者と坊ちゃん総裁」と評した。東京都の石原慎太郎知事も谷垣氏を「女学校の校長みたいで乙にすまして迫力がない」と酷評した。
首相は福島第1原発事故への対応でも被災者支援でも失態をさらし続けた。今もまた、一刻も早い復旧・復興を切望する被災者より政権延命を優先させ、「絶対に今国会は延長しない」と言い張っているという。
たちあがれ日本の片山虎之助参院幹事長に「心がない」と罵倒され、民主党出身の西岡武夫参院議長に「即刻辞任すべきだ」と“勧告”されながら、なお安穏としていられるのは、谷垣執行部を「赤子のようにくみしやすい」と踏んでいるからではないか。
気概も人気もない
「自民党の致命傷は谷垣氏の人気がないことだ…」
自民中堅はこう漏らす。確かに産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)が4月下旬に実施した世論調査で「首相にふさわしい」との問いに、谷垣氏を挙げた人はわずか2・9%。4・4%の首相にすら及ばない。下野したとはいえ自民党総裁としては極めて異例だ。自民党の支持率は23・4%と、民主党の15・9%を大きく引き離したことを考え合わせると事態は深刻である。
これほど人気が振るわないのは、谷垣氏に戦う気概が見えないからだとしか言いようがない。「その場しのぎの思いつき」だけで失政を重ねてきた菅内閣が、いまも2~3割の内閣支持率を維持しているのも、谷垣自民党が存在感を示していないからだろう。
今からでも遅くはない。谷垣氏は生まれ変わったつもりで国民の怒りを体現して首相と戦ってほしい。それができない自民党だったら、もういらない。(阿比留瑠比)
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記者会見でただ一人菅総理に向かって辞職を促した産経新聞の阿比留瑠比記者が、缶(菅)切りの返す刀で谷垣自民党総裁をぶった切った。
曰く「坊ちゃん総裁」と。
さすがに産経新聞紙上では「不信任案 中ぶらり 戦う自民どこへ行った」と抑えた見出しになっているが。
「成程、その通り」と相槌を打ちながら読み進めていくと最後に阿比留瑠比氏の署名があった。
谷垣総裁ではダメだと当ブログは言っていた。
彼がそれなりの力量を持つ政治家であることは否定しない。
しかし、今の政治状況の中で自民党の総裁であることは自民党にとって決してプラスではない。
前回の衆院選で自民党を見限った有権者は、今の自民党は一向に様変わりしていないと思っているからだ。
野党に落ちぶれて臥薪嘗胆、それなりに力を付けている筈であり、様変わりしているはずである。
ところがイメージ・チェンジしたと思わせる何かがなければ有権者は振り向かない。
ポビュリズムに乗っかった政権交代なら、もう一度ポピュリズムに乗っかって政権を奪還すればいいのだ。
それには、稲田朋美氏を総裁にすることだ。
権力の奪い合いが日常茶飯事の政治の世界で二期生を総裁にすることなど夢物語だと言われるかもしれない。
しかし、稲田氏が総裁になれば、稲田氏の国家観や歴史観が自民党の国家観や歴史観として天下に示されるのだ。
・・・とここまで書いて来て自分で驚いた。
「稲田氏の国家観や歴史観が自民党の国家観」ではなくて、そもそも自民党の立党の精神を稲田氏は主張しているに過ぎないのである。
ということは現在の自民党は立党の精神をまったく具現化していないということの証左である。
話がややこしくなったが、反日マスコミの世論調査の結果に動かされる愚民社会では、イメージチェンジで新風を巻き起こさなければ自民党に再生のチャンスがないことは明らかである。
現在の政治状況のなかではまったく効果のない谷垣総裁を擁護するものは、単細胞的な自民党ファンか、自民党をいつまでも野に置こうとする民主党政権の擁護者か、日本解体を狙う工作員かでしかないといままで思っていた。
その思いは、阿比留記者のこの記事で確信に変わった。
産経ニュース(2011/05/20)
権力亡者に手玉に取られる“坊ちゃん総裁”
「兵は拙速を聞く」
「現時点で退陣の選択は全く考えていない!」
19日の衆院本会議で菅直人首相が余裕たっぷりに明言するのを聞きながら情けなくなった。最大野党・自民党の谷垣禎一総裁は一体何をやっているのか…。
「国民の不安を解消できないなら政権担当能力がないということだ。内閣不信任案を考えねばならない」
谷垣氏は17日の党役員会で本格的な倒閣に舵(かじ)を切ったが、あまりにも遅い。不信任案が否決される場合を恐れるのは分かるが、「兵は拙速を聞く」(孫子)との金言通り、戦いには迅速さが何より肝要だ。
東日本大震災発生から2カ月以上。折しも首相は24日から主要国首脳会議(G8)など出席のため6日間に及ぶ外遊に赴く。「サミット休戦」となるころにようやく不信任案提出の「検討」を表明するようでは「本気で戦う気があるのか」と疑われても仕方あるまい。
海千山千の「老戦士」である森喜朗元首相らが主張したように不信任案は、5月2日に平成23年度第1次補正予算が成立した直後にたたき付けるべきだった。間違いなく成立していたはずだ。
にもかかわらず谷垣氏は逡巡した。4月30日に補正予算案が衆院を通過した際には、あいさつにきた首相を逆にこうねぎらった。
「お体に気をつけてがんばってください」
決定的にどこかピントがずれていないか。
首相に見くびられ
自民党ベテランは、保身にひた走る首相と優柔不断な谷垣氏を「権力亡者と坊ちゃん総裁」と評した。東京都の石原慎太郎知事も谷垣氏を「女学校の校長みたいで乙にすまして迫力がない」と酷評した。
首相は福島第1原発事故への対応でも被災者支援でも失態をさらし続けた。今もまた、一刻も早い復旧・復興を切望する被災者より政権延命を優先させ、「絶対に今国会は延長しない」と言い張っているという。
たちあがれ日本の片山虎之助参院幹事長に「心がない」と罵倒され、民主党出身の西岡武夫参院議長に「即刻辞任すべきだ」と“勧告”されながら、なお安穏としていられるのは、谷垣執行部を「赤子のようにくみしやすい」と踏んでいるからではないか。
気概も人気もない
「自民党の致命傷は谷垣氏の人気がないことだ…」
自民中堅はこう漏らす。確かに産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)が4月下旬に実施した世論調査で「首相にふさわしい」との問いに、谷垣氏を挙げた人はわずか2・9%。4・4%の首相にすら及ばない。下野したとはいえ自民党総裁としては極めて異例だ。自民党の支持率は23・4%と、民主党の15・9%を大きく引き離したことを考え合わせると事態は深刻である。
これほど人気が振るわないのは、谷垣氏に戦う気概が見えないからだとしか言いようがない。「その場しのぎの思いつき」だけで失政を重ねてきた菅内閣が、いまも2~3割の内閣支持率を維持しているのも、谷垣自民党が存在感を示していないからだろう。
今からでも遅くはない。谷垣氏は生まれ変わったつもりで国民の怒りを体現して首相と戦ってほしい。それができない自民党だったら、もういらない。(阿比留瑠比)
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テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済
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