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2016.05.05 (Thu)


「中国経済はどこまで死んだか」は面白い!


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「通貨は安全保障」が世界の常識

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 中国経済が破綻すると言われて久しい。
毎年、今年こそ中国が破綻すると予言する本が出版され、Ponkoもその魅惑的なタイトルに惑わされて期待を込めて何冊も買ったが、まだ中国経済は完全に破綻していない。

 最近、産経新聞出版社から「中国経済はどこまで死んだか 中国バブル崩壊後の真実」が出版された。
「日本死ね !!」にあやかったような書名だが、死ぬことは必然としてその後の予測を宮崎正弘、田村秀男、渡辺哲也の中国に詳しい3氏が鼎談している。

例によって、面白そうなところを一部分だけご紹介。

元の膨張は日本の脅威(28頁)

渡邊哲也
「そもそも、元を国際的に認めることになった原因の一つは日本が作っているんですよ。
民主党政権下で、日本が最初に人民元の直接取引を認めたのです。これが世界中に元の直接取引を広げる原因になっていった。日本のミステイクきがきっかけです。
民主党(16年3月から民進党)の政策ミスと言ったほうがいいのか、それとも岡田克也さんの間違いといったほうがいいいのか、元伊藤忠商事会長で中国大使だった丹羽宇一朗さんの間違いと言ったほうがいいのか」


この間違いを犯した岡田氏の関係のイオンと丹羽氏の伊藤忠が中国経済の破綻で一番問題になるというのはなんと言う因果か。

渡邊
「一番問題なのは伊藤忠とイオン、この2社だと思います」
(95頁)

日新製鋼、ラオックス、京セラ、コマツ、ファナックどの名前も出てくる。
シャープを買収した鴻海は台湾企業でなく正真正銘の中国企業で「奴隷工場」の悪名高く、14人の飛び降り自殺の起きた工場では自殺防止の金網が張ってあるとか。
シャープはいい会社だったのに、そのノウハウが吸い取られてしまうのかと残念。

 渡邊氏の分かりやすい囲み記事も面白い。
そのひとつ「リスクが高まると円が買われる」ではメディアが日銀のマイナス金利が急激な円高を招いたというのは間違いだと指摘している。
ドイツ銀行の信用不安が引き金となった欧州全体の金融リスクの高まりが原因だとしている。
訪欧中の安倍総理は5日未明、ドイツのメルケル首相と会談し、世界経済の成長に寄与する財政出動への協力を要請したが、メルケル首相は明言を避け、伊勢志摩サミットでの重要課題に持ち越された。
安倍総理は世界中で馬鹿にされているのに遊びに行っているというようなコメントを頂いたが、どうしてどうして。

 日本の借金は1000兆円超と財政危機であるかのようにパヨクメディアは言うが、世界一の債権国であり困ったときの神頼みならぬ困ったときの円頼みだということだ。

トランプ旋風も触れ、中国はいままで慰安婦問題や米中が日本と戦ったなどとアメリカの世論をいいように利用して来たと思っていたら、トランプ氏の中国攻撃で驚いているとか。

田村
「それでも共和党の候補にはならないでしょうね」


いやいや、いまや米大統領になる可能性も出てきた。

終章近く「日本国を考えない財務官僚」のなかで、またもや民主党政権が槍玉に上げられる。

田村
「一番最初に(財務官僚に)引っかかったのは民主党政権です。鳩山由紀夫政権で財務大臣を務めた菅直人が総理大臣になると、とにかく菅直人首相は財務官僚の言いなりでした。
(中略)
残念ながらメディアの主流である朝日新聞、日経新聞も(消費増税の)財務省に洗脳されているわけですが」

宮崎
「経団連もね」


宮崎氏はメディアと外務省も教科書の「近隣諸国条項」などで日本の外交を捻じ曲げてきたと言う。
まったく日本の官僚は本当に日本人なのか。

田村
「そもそも我々は重大なハンデを負っています。そのひとつが敗戦国であるということで、もう一つは日本の国家の基本である安全保障をアメリカに頼っていることです。そのような日本がアメリカに抗して国益を貫徹できるのでしょうか」


政治が財務官僚に負けないことが大事だという事で三者の意見は一致。

宮崎
「安倍さんがあと5年以上やるという確実な展望がないと難しいでしょうね」

田村
「2020年くらいまで、安倍さんがやらなければ、他の人では無理でしょう」

渡邊
「安倍政権だけではなくて、政党の公約としてあげさせることによって、政権政党が交代しない限り、守らなければならないという形にすればいいのです。政党が合意したと大々的発表することはできると思います」


最終章は田村氏がまとめており、それぞれ個性の強い三氏の鼎談は、いままでの中国経済崩壊論とは趣の違う興味ある本になっている。
アマゾン風に言えば星五つ。☆☆☆☆☆

中国経済はどこまで死んだか 中国バブル崩壊後の真実
(宮崎正弘・田村秀男・渡邊哲也 産経新聞出版 2016年4月 1200+税)


【目次】
序章 悪貨・人民元を武器にする中国   

モノからカネのチヤイナリスクヘ/不動産バブルの崩壊と通貨崩落
元高でも元安でも地獄/中国を延命させる元のSDR人り
大風呂敷AIIBと人民元循環/元の膨張は日本の脅威
日本のカネが中国の軍拡につながった/習政権を揺らす震源は経済

コラム1 ドイツ銀行と中国問題 渡邊哲也

第1章 中国を延命させているのは誰か   

なぜ「不自由通貨」がSDR入りできたか/中国の銀行の内情
「人民元SDR入り」報道は悲惨/人民元暴落というシナリオ
危機を隠して先送りするだけ/都合が悪くなると党が管理
矛盾に満ちた国の″実績゛/ウインウインの関係に
資本規制強化を言い出したグローバリズム

コラム2 欧州金融不安の背景「CoCo債」渡邊哲也

第2章 中国経済はすでに死んでいる 

米利上げは中国に大打撃/外貨準備は張り子の虎
対外負債が外貨準備を上回っている/隠される中国のバブル崩壊
水ぶくれ人民元でシャープを爆買い/人民元が高いうちに企業買収
末期的症状を無理やり止めている/日本企業の二種類のリスクパターン
生産過剰、人民元高、人件費上昇の三重苦/中国経済モデルの終焉
「中進国の罠」と人口問題/粉飾でバブル崩壊後の手が打てない

コラム3 欧州系銀行の抱えるリスク 渡邊哲也

第3章 グローバリズムvs.中国共産党

ワシントン・コンセンサス/ウォール街が儲からない市場
中国をつぶして儲ける人々/中国市場の「中国人」問題
中国による朝貢外交/政治と逆の民間の動き/国防総省と国務省
米中100年戦争/中国人が社員として潜り込む/日米企業の最大の違い
幻想が崩れたアメリカ/アメリカを統治するウォール街

コラム4 リスクが高まると円が買われる 渡邊哲也

第4章 日本経済の発展を阻害するもの
 
日本国を考えない財務官僚/金本位制の古い考え方が主導
「我々は重大なハンデを負っている/プラザ合意後の国際金融モデル
「デフレは悪い」と理解しにくい理由/緊縮財政という日本の病
間違ったイデオロギーは間違った結論に/官僚組織の前例踏襲主義
日本はインドと共に発言力を高めよ/インドと中国の違い

第5章 日本の成長のための8つの方策

GDP600兆円を公約せよ/官僚の「足し算」に対抗せよ
成長を阻害した政策をやめる/マインドを変えるしかない
アベノミクスの最大の成果を利用/国債は暴落しないと知る
政治が財務官僚に負けない/日経を読まない

終章 通貨から中国の脅威を解剖する 田村秀男 

世界の常識「通貨・安全保障」/人民元を巧妙に扱う習近平
中国と通貨に甘すぎる日本/
民主党政権以来の財務官僚の工作/最大のリスク発生源は中国
北京がソロスに吠えたてる理由/日本が北京を側面支援することになる
人民元は日本の脅威、アメリカの利権/人民元を防衛せよ


本格的な書評はこちら ⇒ 産経新聞 書評古田博司教授


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